映画館にて
その日は幸美が以前から見たいと言っていた恋愛映画を見ることになっていた。
ロードショーも終盤だったので、映画館は思いのほか空いていた。
映画の内容は自分としてはあまり面白くなく少々退屈していたし、幸美もあまり集中していない様子だった。
終盤に差し掛かったころにいつものように催眠誘導してみた。
「イルブラッ…、イルブラッ…」
耳元で囁くと、スクリーンに向いていた幸美の目元が虚ろになり、すぐに瞼が閉じていった。
「さぁ、君はもう僕の言葉に逆らうことはできない。」
「僕の命令に従うことが君の喜びとなる。」
「わかったら頷いて返事をしなさい。」
幸美は小さく頷いた。
「今すぐパンティを脱ぎなさい。」
「脱いだパンティは僕に渡しなさい。」
幸美はためらうことなく、自分でスカートの中に手を入れてパンティをずり下ろしていった。
靴を脱いだつま先からパンティを抜き取ると、そのまま僕に手渡した。
「さぁ、3つ数えると目を覚ますよ。」
「でも、催眠中のことは全く覚えていない。」
「1,2,3,はい目を覚ます。」
幸美はぼんやりと目を開けて、再びスクリーンを見た。
やがて映画が終わり、館内が明るくなった。
「さて、ご飯でも食べに行こうか?」
『ええ、そうね。』
『ちょっとお手洗いに行って来るわ。』
幸美はまだ自分の事態に気づいていないようだ。
僕は通路の奥の椅子に腰掛けて次のシカケの準備を始めた。
予め用意しておいた小型のケータイに電源を入れ、マナーモードにセットしてからコンドームをかぶせてポケットに忍ばせた。
幸美を待っていると、すぐに幸美が僕を睨みながら戻ってきた。
『ねぇ!何で私パンティ履いてないの?!』
言ったとたんに自分の声の大きさに気づいて、「ハッ」と周りを見渡して僕の隣に腰掛け、僕の耳元で続けた。
そこは出入り口や売店などからは一番遠いため、辺りには誰も居なかった。
(続く)
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