催眠と気づかれずに
彼女とは2回目のデートだった。
湘南海岸のそばのレストランで食事をしたあと、彼女を送るべく横浜新道の上りを走っているときだった。
まだ催眠は掛けたことがなかった。
「前を走っている車のテールライトを見てごらん。」
「そう、左側の赤いライトだよ。」
『なぁに?』
「よーく見てごらん。」
「よーく見ていると、ある変化に気づくよ。」
『え?』
「喋らずにじーっと見ていると・・・」
「じーっと見ていると、赤い光がだんだん大きくなってくるような気がしないか?」
前の車がブレーキを踏んで、テールライトが明るくなった。
その瞬間、
「ホラ!、目が閉じる。」
「もう開いていられない。」
「もう開けられない。」
「開けようとすればするほどまぶたがぴったりと閉じる。」
開けようとまぶたを動かすが、開けられずに戸惑っているようだ。
続いて深化させた。
「さぁ、3つ数えると、・・・」
:
深化に続いて、
「今度目がさめると、君の腰は敏感になっているよ。」
「車の振動がとっても良くわかる。」
「さぁ目をあけられるよ。1,2,3!」
『・・・』
彼女はぼんやりと目を開けた。
(続く)
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