瞬間催眠術1
僕は催眠術をかけることにだんだん慣れてきて、彼女の掛かり具合も徐々に良くなってきた。
何度もかけていると、短時間でより深く入るようになって来るようだ。
そこで、もっと短時間に一瞬で催眠に入れてみたくなった。
たとえば、人目がある公園や電車の中などでも催眠術が使えるというわけだ。
二人っきりの時に彼女をソファに座らせて、なるべく深く催眠に入れてから次のように暗示してみた。
「君はこの気持ちの良い世界にすぐに入ってくることができる。」
「僕が君の目を見て『愛してるよ』と囁くと、一瞬でこの世界に入ってくることができるよ。」
「でも、君が今度目を覚ました時には、今僕が言ったことは忘れてしまっている。」
「さぁ、目を覚ますよ。1,2,3・・・10!」
彼女はいつものようにぼんやりと目を覚ました。
「どう?気分は?」
『うぅん、なんかあまり覚えていないんだけど・・』
『私何かした?』
どうやら健忘暗示が聞いているようだ。
僕の左隣に座ってボーっとしている彼女の左頬に自分の右手をかけてこちらを向かせた。
彼女が少しはっとした様子を見せたときに、
「愛してるよ」
彼女の顔が一変し、顔・首・肩そして背中と脱力し、ソファの上にぐったりとなった。
僕が囁いてからわずか3秒程度のことである。
(続く)
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